「なぜ」で覚える英文法

英文法を「忘れないように覚える」ことを第一に考えたブログです。        受験に必要な文法事項を、丸暗記ではなく「理由を知る→知識がつながる→覚えられる」となるよう解説します。

接続詞

so that構文(目的)で助動詞をつける理由 (接続詞③)


 ※このページは「so that 構文が「目的」「程度」「結果」の意味になる理由 (接続詞②)」からの抜粋です。

 so that構文は、↓のように「程度」「結果」「目的」を表す表現があります。

 so that


 このうち「目的」については、that節の中で助動詞(can、may、will)を使うという特徴があります。


例 Please speak louder so that  everyone can  hear you.
  目的:みんなに聞こえるように、もっと大きい声で話しなさい。


 助動詞が使われる理由は、助動詞の後のV(動詞の原形)はまだ行われていないことを示すためです。どういうことかというと、ここで使われる助動詞はcan、may、willの3つですが、canは「~する可能性がある」(30%)、mayは「~するかもれない」(50%)、willは「~するだろう」(80%)で、いずれもまだ行われていない動作がこの後行われる可能性を示しています(下表参照)。

 助動詞

 soは「≒」です。例えば「そのように」は「既にあるイメージがあって、それとほぼ同じ→「そのように」となります。つまり、「あるイメージ≒そのように」。(soについては詳しくはこちら)そこから、「soの前の文≒soの後の文」となり、意味的につながりがあることが示されています。
 そして、thatが「→」のイメージとして置かれることで、出来事の起こった順番が「①soの前の文(大きい声で話せ)→②soの後の文(みんなに聞こえる)」だと表されています。
 このように、起こる順番は①soの前→②soの後の文で、②soの後の文はまだ実現されていないことから、②soの後の文は①soの前の文の行為によってその後達成される目的であることが表されています。


 ちなみに、なぜcan、may、willの3つが使われるのかというと、この3つの助動詞は実現される可能性が30~80%であり、必ずしも実現が保障されていない「目的」を表現するのにぴったりだからです。逆に、mustやshallはこのままいけば100%実現されることであり、わざわざ「目的」の動作として表すのには合っていません。


 これらをまとめると、

sothat10
 「①speak louder(行為)→②everyone can  hear you(目的)」
 ⇒目的:「~のために…」

 

 となります。

【参考】so that構文が「目的」以外に「結果」「程度」になる理由は↓
 so that 構文が「目的」「程度」「結果」の意味になる理由 (接続詞②)


【参考】そもそも助動詞に動詞の原形が来る理由
 助動詞の後ろに動詞の原形が来る理由 (助動詞①)


⇒次は現在完了。
 現在完了① have+過去分詞が「完了」「経験」「継続」になる理由



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so that構文が[目的][程度][結果]の意味になる理由 (接続詞②)


 so that構文は、いくつか意味があって、しかも形も微妙に違うのでややこしい構文です。
 構文の説明の前に、まずはsoとthatがそもそもどういう役割なのかを説明します。


●soのイメージは「≒」

so that2

 


 「①そのように」は既にあるイメージがあって、それとほぼ同じ→「そのように」となります(あるイメージ≒そのように)。

 「②とても~」も既にあるイメージがあって、それとほぼ同じという感覚で「so」と言っています。例えばso happyだと実際にhappyなイメージを思い浮かべてそれとほぼ同じなくらいhappyという感覚です(あるイメージ≒happy)。その結果、happyに実感がこもる→「とてもhappy」となります。
 
一方、very happyだと単にhappyの程度が高いと客観的に言っています。

 

 

●thatのイメージは「→」
 thatは「それ、あれは」という意味で、あるものを指し示す矢印→のイメージです。
 例えば、思う・言う系統の動詞(think、know、say、hope、learnなど)の後にthatを置くと、thatは「それは、、」となって、that以下で直前の動詞の具体的な内容を指し示す「→」の役割を果たします。これを日本語になおすと、「~することを」という意味になります。

that
                             

※ただし、このthatは矢印みたいなものなので、必ずしも必要ではなく省略されることもよくあります。

 

  ここから、so that構文を形ごとに解説します。

 so that

(1) so 形容詞・副詞 that ~が程度結果になる理由



例 She got up  so  early  that  she was in time for the first train.
程度:彼女は一番列車に間に合うくらい早く起きた。
結果:彼女はとても早く起きたので、一番列車に間に合った。

 


● 程度:~なくらい〔形容詞・副詞〕
 so のイメージは「≒」です。例文のso earlyは「≒early」であり、あるイメージとほぼ同じくらいearlyです。そして、thatは直前の内容(so early)の具体的程度を「それは、、(→)」と指し示しています。


 これをまとめると、

 sothat5

「あるイメージとほぼ同じくらい〔early〕、どのくらいかというとthat以下」
 =「early〔形容詞・副詞〕≒that以下(一番列車に間に合うくらい)」
 ⇒程度:「(that以下)なくらい〔形容詞・副詞〕」

 

 

結果:「とても〔形容詞・副詞〕なので(that以下)」
 結果は、程度の「early≒that以下」を出来事が起きた順番で捉えなおしたものです。
 thatは「それは、、(→)」のイメージなので、「early」→「that以下」の順番になり、①earlyという原因があって、②that以下という結果になります。
 ちなみにsoは「≒」として、soの前後が意味的につながりのあることを表します。ここでは、因果関係です。


 こうした理由から、so〔形容詞・副詞〕はthat以下で結果が具体的に示されることになり、〔形容詞・副詞〕に実感がこもる→「とても〔形容詞・副詞〕」となります。

 これらをまとめると、

 sothat6

 「①early(原因) →②that以下(結果)」
→「①とてもearly(原因) → ②that以下(結果)」
結果:「とても〔形容詞・副詞〕なので、~(that以下)」



(2) … , so (that) ~が結果になる理由

例 I overslept , so  (that)  I missed the first train.
 結果:私は寝坊した結果、電車に乗り遅れました。

 soは「≒」を示すことから、「soの前の文≒soの後の文」となり、意味的につながりがあることが示されています。
 thatは「→」のイメージとして置かれることで、出来事の起こった順番が「①soの前の文(寝坊した)→②soの後の文(電車に乗り遅れた)」だと表しています。
 こうした理由から、①soの前の文が原因、②soの後の文が結果を意味します。


 sothat7

  「①I overslept(原因) → ②I missed the first train(結果)」
 
結果:「…、その結果~」



(3) … so (that) S 助動詞(can/may/will)~が目的になる理由 

例 Please speak louder so that  everyone can  hear you.
  目的:みんなに聞こえるように、もっと大きい声で話しなさい。

 
 soは「≒」を示すことから、「soの前の文≒soの後の文」となり、意味的につながりがあることが示されています。
 そして、thatが「→」のイメージとして置かれることで、出来事の起こった順番が「①soの前の文(大きい声で話せ)→②soの後の文(みんなに聞こえる)」だと表されています。

 しかし、soの後の文には助動詞が使われることで、助動詞の後のV(動詞の原形)はまだ行われていないことが示されています。どういうことかというと、ここで使われる助動詞はcan、may、willの3つですが、canは「~する可能性がある」(30%)、mayは「~するかもれない」(50%)、willは「~するだろう」(80%)で、いずれもまだ行われていない動作がこの後行われる可能性を示しています(下表参照)。

 助動詞

  つまり、出来事の順番では、①soの前の文、②soの後の文であり、②soの後の文はまだ行われていないことになります。そこから、②soの後の文は①soの前の文の行為によってその後達成される目的であることが表されています。

 ちなみに、なぜcan、may、willの3つが使われるのかというと、この3つの助動詞は実現される可能性が30~80%であり、必ずしも実現が保障されていない「目的」を表現するのにぴったりだからです。逆に、mustやshallはこのままいけば100%実現されることであり、わざわざ「目的」の動作として表すのには合っていません。
 

 これらをまとめると、

sothat10
 「①speak louder(行為)→②everyone can  hear you(目的)」
 ⇒目的:「~のために…」

 

 このように、so that構文は一見すると覚えなければいけないことがたくさんあるようにも見えますが、so、that、助動詞などの役割を一つ一つ理解すれば、その構文からなぜそういう意味に成るのかが導けます。


⇒次は現在完了。
 現在完了① have+過去分詞が「完了」「経験」「継続」になる理由



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命令文, or …が[~しなさい、さもないと…]になる理由 (接続詞①)


◆命令文, and…:~しなさい、そうすれば…

例 Run, and you will see your aunt.

走りなさい、そうすれば、君はおばさんに会えるだろう。

 

◆命令文, or…:~しなさい、さもないと…

例 Work hard, or you will fail. 

 一生懸命働きなさい、さもないと君は失敗するだろう。



andの役割は「~、そして~」のように、前の続きを示すことです。

命令文, and~でも、命令文の後ろにandを持ってくることで、命令文の続き=命令の結果を示しています

この命令の結果を示しているandを日本語に置き換えると「~しなさい、そうすれば…」となるだけです。

 

orの役割は「~、または~」というように、前とは別の選択肢を示すことです。

命令文, or~も、命令文の後ろにorを持ってくることで、命令文とは別の選択肢=命令文に従わない選択肢を示しています

↑の例だと、「一生懸命働け」、この命令文に従わない選択肢だと「君は失敗する」です。これを日本語に置き換えるとorは「さもないと」という訳になります。


【参考】

 命令形が「動詞の原形」である理由は↓

 命令形「~しなさい」が動詞の原形である理由



⇒次は、so that構文。
 
接続詞② so that構文が「目的」「程度」「結果」の意味になる理由


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kenny

しがないアラサー団体職員。
休みになれば寝てばかり、家事をすればいい加減なズボラ男です。
言葉の理解や記憶の構造に興味があって、大学院まで認知心理学をやっていました。
ご質問については受け付けておりません。