「なぜ」で覚える英文法

英文法を「忘れないように覚える」ことを第一に考えたブログです。        受験に必要な文法事項を、丸暗記ではなく「理由を知る→知識がつながる→覚えられる」となるよう解説します。

比較

最上級でinとofを使い分ける理由 (比較④)

 

◆the 最上級 in/of ~:「~の中で一番…」

最上級というのは「最も上の級(レベル)」と書くように、「一番~」という表現のことです。

 具体的には、「the 形容詞・副詞 est」という形をとります。

 

 例 He is the tallest in this class.
    彼はこのクラスで一番背が高いです。


●inとofの違い

 inとofは、「主語は~の中で一番」というときの「~の中で(範囲)」を表します。

 inは「主語より大きい存在」、ofは「主語と対等な存在の複数形」に対して使います。

 よくわからないと思うので具体例を見ましょう。

 


in (主語より大きい存在)

例:Tokyo is the biggest city in Japan. 

東京は日本で最も大きな都市です。

 

⇒範囲であるJapan(国)は、主語のTokyo(都市)と対等ではなく、Tokyoよりも大きな存在なのでinを使います。

 

 

・ of (主語と対等な存在の複数形)

例:He is the youngest of the five.

彼はその5人の中で最も若いです。

 

⇒範囲であるfive(5人)は、主語のHe(彼)と同じ人間であり対等なので、ofを使います。

 


※よく「複数形にはofを使う」という単純化した説明がありますが、いくら複数形でもそれが主語よりも大きい存在の場合は下記のようにinを使います。

 

Tokyo is the biggest city in the three countries.

東京のその3カ国の中で最大の都市です

  

○inとofを使い分ける理由


inのイメージ

 inは「~の中で」というある空間の中にいるイメージが基本です。
 主語が入っている空間は当然主語よりも大きい存在なので、最上級で範囲を表す時も主語より大きい存在にはinを使います



 例 Tom's house is the biggest in our town.
  トムの家は町の中で一番大きいです。
  (our townは主語のTom's house より大きい存在)



of所属先のイメージ

  ofは「~の」と教わりますが、もともとA of Bは、BがAの「起源」≒「所属先」を表しました。

そのため、Aが「部分」、Bが「全体」という関係で、言い換えるとAという「部分」の複数形=B「全体」になります。

こうした理由から、範囲が「主語(部分)と対等な存在の複数形(全体)」で表現される場合にはofを使います。


例 Soccer is the most popular of all sports.
 サッカーはすべての中で一番人気のあるスポーツです。
 (主語のSoccer と範囲のsportsは対等な存在)


【参考】

ofは辞書を引くと「所属」以外に「分離」や「同格」などたくさんの意味があります。
 なぜofがたくさんの意味をもっているのかは↓

 前置詞① of に「所属」「分離」「同格」などの意味がある理由


【参考】 

 最上級にtheをつける理由は↓

 最上級にtheをつける理由 (比較③)



⇒次は接続詞。
 
接続詞① 命令文, or …が「~しなさい、さもないと…」になる理由


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最上級にtheがつく理由、theを省略できる理由 (比較③)

 

◆the 最上級 in/of ~:「~の中で一番…」

最上級というのは「最も上の級(レベル)」と書くように、「一番~」という表現のことです。

 具体的には、「the 形容詞・副詞 est」という形をとります。

 

 例 He is the tallest in this class.
    彼はこのクラスで一番背が高いです。



※比較的長いつづりのものは、「the most 形容詞・副詞」で表します。


the most + 形容詞

 beautiful(美しい) careful(注意深い)
 difficult(難しい) famous(有名な)
 important(重要な) interesting(面白い)
 popular(人気のある) useful(役に立つ)


the most + 副詞
 quickly(すばやく) slowly(ゆっくりと)



 

◆最上級にtheがつく理由

 さきにtheがaとどう違うのかを説明します。

 

【 theとaの違い 】

 まず前提として、theとaはどちらも「1つのもの」を表します

 そのうえで、theは「世界に1つだけのもの」aは「世界に2つ以上あるもの」に使います。


aとthe

 ↑のtheの例だと、「太陽」はこの世に1つしかないものなのでtheをつけます。
 また、会話の中で「そのペン取って」というときの「そのペン」はこの世に1つしかないある特定のペンのことを指しているので、theをつけます。

 一方、特にどのペンだと指定せずに「1本ペン貸して」というときの「1本のペン」は、世界に2つ以上あるたくさんのペンの中の1本を指しているのでaをつけます。

 

⇒このように、theは「世界に1つしかないもの」に使う言葉です。
 最上級にtheをつける理由も、「1番~」というのは順位としては1つしかないものだからです。
 同じ理由で、「二番目に~」というときも「the second ~」と表現して、theをつけます(テストにはほぼ出ませんが)。


【参考】「the + 複数名詞」は1つのもの?
 
↑でtheは世界に1つだけのものを指していると書きましたが、theの後ろには複数名詞が来ることもあります。

 例:the pens(その複数本のペン)

 このような場合、theの後ろの複数名詞は世界1つだけの集団として捉えられています
 例えば、the pens(その複数本のペン)は、theを付けることで何本かのペンを特定して指しており、世界に1つだけの集団として捉えています。ただし、こういう場合、名詞は複数形なのでbe動詞の現在形はareになります。



◆最上級でもtheを省略できる理由
最上級でも下記の場合はtheを省略できます。
 ①副詞
 ②補語として使われる形容詞(形容詞の叙述用法)

①副詞
 例 I can run (the) fastest in the class.
    私はクラスで一番早く走れます。

 →fast(副詞)がrunを修飾しています。


②補語となる形容詞
 例 This candy is (the) sweetest in this store.
  このキャンディーはこのお店で一番甘いです。

 →sweet(形容詞)が主語(this candy)の補語として使われています。

 
 通常、theの後ろには名詞が来るという感覚がありますが、①副詞、②補語としての形容詞の後ろには名詞が来ないため、theをつけるのは変だという感覚があります。
 一方、最上級にはtheをつけるものだという感覚もあります。
 この2つの感覚が合わさった結果、theをつけても省略してもいいという使い方になっています。


 逆に、名詞を修飾する形容詞(形容詞+名詞)を最上級にする場合は、名詞が存在するため必ずtheをつけます。

 例 This is the sweetest candy.
  これは一番甘いキャンディーです。

 →sweet(形容詞)が名詞(candy)を修飾しています。

 

⇒次はinとofの使い分け
 最上級でinとofを使い分ける理由 (比較④)



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比較級 than~:「~より…」の基本事項 (比較②)


※今回は比較級の基本的なルールだけなので理由の説明はありません。
 高校レベルの文法に入ったら、理由が必要な事項について追記します。


◆比較級 than~:~より…
 比較級は「級(レベル)を比較する」と書くように、「ある基準でAとBのレベルを比較する表現」のことです。

具体的には「形容詞・副詞+er」という形で「より~」という意味を作ります。

 


例 taller(より背が高い)
   older(より年を取っている)


※比較的長いつづりのものは、「more 形容詞・副詞」で表します。

more + 形容詞

 beautiful(美しい) careful(注意深い)
 difficult(難しい) famous(有名な)
 important(重要な) interesting(面白い)
 popular(人気のある) useful(役に立つ)

more + 副詞
 quickly(すばやく) slowly(ゆっくりと)



 そして、「この相手より上」という意味を表すのがthanです。

 thanは見た瞬間に「>」に置き換えるようにすると読解がスムーズになります。

 逆に、日本語に置き換えて考えると読解で戸惑いやすいです。
 
 例 I am taller than he.

私=より高い>彼

→私は彼よりも背が高い



⇒次は最上級について。
 比較③ the 最上級 in/of~が~の中で一番…になる理由


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as ~ as…が[…と同じくらい~]になる理由 (比較①)


○「主語」 be as 形容詞 as 「相手」:「主語」は「相手」と同じくらい形容詞

 

 例 Hiroko is as beautiful as Himoko. 

 ヒロコはヒモコと同じくらい美しい。

 asとasに形容詞が挟まれると同じくらい~って意味になる理由を考える前に、asがどういう単語なのかについて説明します。

 

 

◆asの成り立ち

 asは歴史的に、all(強調) so→also→als→asと音が省略されてasになりました
 そのため、もともとはsoに由来してます。




●soのイメージは「≒」
副詞:①そのように
   例 I think so. そのように思います。

   ②とても~(形容詞を修飾)
   例 I am so happy. 私はとても幸せです。

 

 soの基本イメージは「≒(ほぼイコール)」です。
 「①そのように」は既にあるイメージがあって、それとほぼ同じ→「そのように」となります(あるイメージ≒そのように)。
 「②とても~」も既にあるイメージがあって、それとほぼ同じという感覚で「so」と言っています。例えばso happyだと実際にhappyなイメージを思い浮かべてそれとほぼ同じなくらいhappyという感覚です(あるイメージ≒happy)。その結果、happyに実感がこもる→「とてもhappy」となります。
 
一方、very happyだと単にhappyの程度が高いと客観的に言っています。

 

 

・asの根本イメージは「=」(イコール)

 asはall(強調) so(≒)→also→als→asと省略されてasになりました。

 そのため、asは「ほぼイコール(≒)を強調した単語」であり、言い換えると「イコール度がより高い」、そこから「イコール(=)」がそのイメージです。

 ちなみにalsoは今でも「同じように」という意味の副詞として残ってますよね。

 

 こうしたことから、asには沢山の意味がありますが、いずれもイコールのイメージから派生したものです(↓は抜粋です)。

接続詞:①[時]~する時に

 例 As I entered the room, they laughed.

  私が部屋に入ったとき、彼らは声を出して笑いました。
→「as~」と、「,…」が時間的にイコール(同時)

     ②[理由]~なので

 例 As I didn’t have any stamps, I couldn’t mail the letter.

  切手を持っていなかったので、手紙が送れませんでした。
→「as~」(原因)と「,…」(結果)が同じ一続きの出来事であった関係的にイコール

前置詞:③~として

 例 As your doctor, I advise you.

  君の医者として、君に忠告します。
→「as~」と「文の主語」が同一人物でイコール

 


 このように、asの根本イメージは「=」(イコール)ですが、
A is as 形容詞 as B」は、「Aは同じくらい[形容詞]、Bと同じくらい」が直接的な意味になります。

 それをうまく訳すと「~と同じくらい[形容詞]」になります。

 

 例  I am as tall as her.

    私は彼女と同じくらい背が高い。
  (私は同じくらい背が高い、彼女と同じくらい)


◆asが2つ必要な理由

asが「同じくらい」という意味だと考えると、「A is 形容詞 as B」でも、「AはBと同じくらい形容詞」って意味になりそうな気がします。

しかし、1つ目のasが必要なのには理由があります。

 たとえば、形容詞の前のasがない↓の例では、最初に「I=背が高い(tall)」と言い切っちゃって、Iは明らかに背が高いことになってます
 そして、「それはherと同じくらい」といっています。この場合、Iとherはどちらも背が高いという意味になります。

 

 例 I am tall as her

   私は背が高い、彼女と同じくらい。


 
 逆に、形容詞の前のasが付く↓の例では、「I=あるイメージと同じくらいの背の高さ(as tall)」と言う意味になり、必ずしもIが背が高いとは限りません
(Ⅰとherはともに背は低いけど、背丈の程度は同じくらいという場合もあります。)

 I am as tall as her
   私は彼女と同じくらいの背の高さだ。


このように、どのくらいかは問わないけど、Iとherの背丈が同じくらいというには、「as 形容詞」でなければならないため、「AはBと同じくらいの形容詞(例 同じくらいの背の高さ)」と言うには、「A be as 形容詞 as B」の形になります。


 

 

○まとめ

asは、so「≒」にallをつけて強調した単語であり、「=」がその根本的な意味です。

そして、「A is as 形容詞 as B」は、「Aは同じくらい[形容詞]、Bと同じくらい」という意味であり、「同じ程度の形容詞」という意味を表すために1つ目のasも必要だと言えます。



⇒次は比較級の基本事項。
 比較② 比較級 than~:~より…の基本事項


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自己紹介

kenny

しがないアラサー団体職員。
休みになれば寝てばかり、家事をすればいい加減なズボラ男です。
言葉の理解や記憶の構造に興味があって、大学院まで認知心理学をやっていました。
ご質問については受け付けておりません。