物の名前(名詞)は大きく、リンゴや猫のように、だいたい同じ形で、1つ、2つと「数えられるもの(可算名詞)」と、水のように1つ、2つとは「数えられないもの(不可算名詞)」に分けられます。
一見すると、簡単に見分けが付きそうですが、数えられない名詞の中には「お金(money)」や「パン(bread)」など「え、これも数えられないの?」と思うようなものも含まれています。
実は、英文法で言う「数えられる名詞」とは、具体的な形が似ていて同じようなイメージで数えられるもの、逆に、「数えられない名詞」とは具体的な形が似ておらず、同じようなイメージでは数えられないものなのです。
具体的な形が似ていないものというのは、それを具体的な形に変換するとそれぞれが全然違う!というもののことです。
例えば「お金(money)」は具体的な形の「紙幣」と「貨幣」じゃ全然似ていないですよね。
また、「水(water)」もどんな形にもなりうるので、似ている・似ていないのレベルを超えて具体的形は無限大です。
このように、数えられない名詞は似ていないレベルで、「①全然似ていない」、「②どんな形にもなれる」に分けることができます。
実際に、その一例を見て行きましょう。
①「具体的な形=全然似ていないもの」
お金(money)は具体的な形の「紙幣」と「貨幣」じゃ全然似ていないですよね。
家具(furniture)も、机、椅子、タンスなど具体的な形は全然似ていません。
同じように、情報(information)も助言(advice)も具体的な形は全然違うものの総称です。
仕事(work)なんかは具体的な形が「医者」、「教師」、「コンビニ店員」、「作家」など職業によって全然似ていません。
②「具体的な形=どんな形にもなれるもの」
似てないどころか、「ありとあらゆるどんな形で存在しても、それのことはそう呼ぶんだ!」というものです。例えば、液体なんかはスライムみたいにいくら切っても名前は変わらないですし、実際に紙やパンはどんな形の時でも紙やパンです。バターだってどんなに小さく切ってもバターです。
でも、ここでまた疑問が生じます。
そもそも、なんで「数えられる名詞」と「数えられない名詞」にわける必要があるのでしょうか。
この理由は、数えられる名詞と数えられない名詞では、その量がこれくらいあるよー!って話す時=数える時に、話し手の頭の中のイメージに違いがあるからです。
数えられる名詞では、同じような形のものが増えたり減ったりして「多い」、「少ない」と言っています。
一方、数えられない名詞では、具体的形が違うので、いろんな形をごちゃ混ぜに一まとめにして「多い」、「少ない」と言っています。
このように数えられる名詞と数えられない名詞では量の「多い」「少ない」をいう時にイメージに違いがあるため、英語では数えられる名詞と数えられない名詞の量を表す形容詞において、使い分けをしています。
例 There are a few books.
数えられる名詞
少しの本があります。
例 There is a little milk.
数えられない名詞
少しの牛乳があります。
ちなみに、few ・ littleは「ほとんどない(極わずかにはあるけど「ない」に近い否定的イメージ)」で、a few ・ a littleは「少しだけ(aを付けられるくらいには「ある」という肯定的なイメージ)」です。
someは「はっきりしない何かがある」が根本的なイメージなので、そこから「いくつか」という意味になります。つまり具体的形を問わずに「何かある」という感覚なので、数えられる名詞にも数えられない名詞にも使えます。
【参考】形容詞① someとanyを使い分ける理由
また、数えられない名詞は、いろんな形を一まとめにして「多い」「少ない」と言っているので、「単数形」として扱われます。
そのため、There is 構文などでは注意が必要です。
例 There is(×are) much water on the earth.
数えられない名詞
地球にはたくさんの水がある。
◆数えられない名詞の数え方
このように、数えられない名詞は、「具体的な形が似ていないもの」だから、「a~」とか「two~」とかで数えようとすると、それを聞いている人は具体的形がどの状態かわからない!ってなります。
例 bread ←スライスされたパン? 固形のパン?
そのため、数えられない名詞を数えるときは「具体的形はこれ!」と限定します。
具体的には、「 a 具体的形 of 数えられない名詞」という形にして数を表します。
a cup of coffee(カップ1杯のコーヒー)
a glass of milk(グラス1杯のミルク)
a slice of bread(パン1枚)←スライスされたパン
a piece of bread(パン1個)←小さいパン
a sheet of paper(紙1枚)←A4サイズとか大きい紙
a piece of paper(紙1枚)←レシートとか小さい紙
などなど
⇒次は、前置詞of。
前置詞① of に「所属」「分離」「同格」などの意味がある理由