「なぜ」で覚える英文法

英文法を「忘れないように覚える」ことを第一に考えたブログです。        受験に必要な文法事項を、丸暗記ではなく「理由を知る→知識がつながる→覚えられる」となるよう解説します。

構文

too~ for 人 to doが[~すぎて人は…できない]になる理由(to不定詞⑦)


◆too 形容詞/副詞 to do:~すぎて…できない

例:She is too fat to ride a horse.

彼女は太りすぎて、馬に乗れない。

 

 

一般にこれをtoo to構文と言います。

まず、tooとtoの意味をそれぞれ説明します。

 

 

tooのイメージは「上乗せ」

①~もまた

I know him too. 私も彼を知っている。

 

②~すぎる

 She is too shy. 彼女は恥ずかしがりやすぎる。

 

tooは、通常部分に上乗せするイメージです。


too


 例文で考えると、「①~もまた」の“I know him too.”は、「〇〇は彼を知っている」に「私」という上乗せがされて「私も知っている」です。

 「②~すぎる」の“She is too shy.”も、通常のshyに上乗せされて、「許容量を超えてshy=恥ずかしがりや過ぎる」という意味です。

 

 

to不定詞は「~することへ向かう」

 to不定詞は、前置詞to「~へ」+原形動詞が「~すること向かう」という意味で使われたことからいくつかの意味を持つようになりました

 たとえば、「~するため」は、「~へ→~することへ向かう→~するために向かう(目的)」という具合に派生しました。

 

【参考】to不定詞が「~すること、~するため、~して(感情)」になる理由

 to不定詞が感情の原因を表す理由(to不定詞⑤)

 

 

 

◆too 形容詞/副詞 to do

 too形容詞・副詞は「(許容量を超えて)~すぎる」to doは「…することに向かう」が根本的な意味です。


too 形容詞/副詞 to doを言い換えると、
   「(許容量を超えて形容詞/副詞)すぎる、…することに向かうには」
 →「(許容量を超えて
形容詞/副詞)すぎるので…できない」 となります。


 

例:She is too fat to ride a horse.

彼女は太りすぎて、馬に乗れない。

 彼女は(許容量を超えて)太りすぎ→馬に乗ることに向かうには
⇒彼女は太りすぎて、馬に乗れない

too to


 

too 形容詞/副詞 for 人 to do

  ~すぎて、人は…できない

 

例 She is too fat for him to lift her.

  彼女が太りすぎているので、彼は彼女を持ち上げられない。


 

 too to構文では、間に「for 人」を挟むことで、主語以外の「人」がto doできないという意味に変わります。

 なぜforを使うのかというと、forがもともと「〜の方向へ」という意味だからです。そこから、「~の方向へ向かう→~に対して向かう→~に対して」というように対象の意味に派生しました。

 

 これをtoo to構文に使うと、

 

⇒S is too 形容詞・副詞 for 人 to do

Sは~すぎる、(人)に対して、…することに向かうには

Sは(人)にとって~すぎる、…することに向かうには

Sは~すぎて、(人)は…することに向かえない

Sは~すぎて、(人)は…できない

 

例:She is too fat for him to lift her.

彼女が太りすぎているので、彼は彼女を持ち上げられない。

⇒彼女は太りすぎ(too fat)→彼に対して(for him)→持ち上げることに向かうには(to~)
⇒彼女は太りすぎて、彼は持ち上げられない


too for to5


 ちなみに前置詞toも「~へ」という意味から、「~へ向かう→~へ対して向かう→~に対して」という対象の意味を持っています。

 そのため、かつては「for 人 to do」だけでなく、「to 人 to do」という表現もありました。
 しかし、「to 人 to do」だとtoが2回続いてややこしいからなのか、中英語期(1100~1500年)には廃れてしまい「for 人 to do」という表現が今日まで残っています。



【参考】「for 人 to do」は形式主語構文でも使われる

 

 ●It is 形容詞/副詞 for 人 to do

 人が~することは…だ


 例 It is necessary for you to go there.

   君はあそこに行く必要がある。

 

⇒It is 形容詞/副詞 for 人 to do

=(形容詞/副詞)だ、人に対して、~することは
人にとって(形容詞/副詞)だ、~することは

人が~することは…だ



 例 It is necessary for you to go there.

   君はあそこに行く必要がある。

 
⇒必要だ、あなたに対して、そこに行くことは
あなたにとって必要だ、そこに行くことは
あなたがあそこに行くことは必要だ


 

 このように、too to構文に限らずto不定詞の意味上の主語を表す時は「for 人 to do」という形で表されます。

 


⇒次は中学生を苦しめる関係代名詞
 
関係代名詞にthatを使う理由(関係代名詞①)


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itが天気・時間・形式主語構文で使われる理由(to不定詞⑥)

 

◆天気・時間を表す主語はit

 It is rainy today.今日は雨だ。

    天気

It’s ten o’clock now. 今は10時だよ。

     時間

 

●天気、時間を表す主語がitになる理由

 そもそも、女性を指す言葉はshe、男性を指す言葉はheであり、人間ではない「モノ」を指す時にはit(それ)が使われてきました

 そのため、天気などの自然現象、時間といった人間でないものを表す時にも、itを主語として使ってきたという歴史があります

 

 

 

◆形式主語構文


It is 形容詞・名詞  to do(~すること)

It is 名詞・形容詞  doing(~すること)

It is 名詞・形容詞  that S V(SがVすること)

=~することは「形容詞・名詞」

 

It is expensive to live in Tokyo.

 東京で暮らすことは高くつく。

It is fun playing soccer with Tsubasa.

 翼とサッカーをすることは楽しい。

It is fortunate that he could marry her.

   彼が彼女と結婚できたことは幸運だ。

 



●形式主語構文にitを使う理由
 

 形式主語構文というと難しそうですが、要は「~することは…だ」という文のことです。つまり、主語が「~すること」の文。
 「~すること」は、天気や時間と同じく「事」って言っている時点で人間ではありません。そのため、主語にItが使われてきました。
 
この「~すること」を英語に直すと、to不定詞を使った「to do」、動名詞の「doing」、thatを使う「that SV(SがVすること)」の3通りになります。そして、
「~すること」がどうしたのかというと、「is 形容詞・名詞」です。

まとめると 「It is 形容詞・名詞 ~すること(to do、doing、that SV)」という形になります。

 

It is impossible to be wise in a day.

一日で賢くなることは不可能だ。

 

 

でも、普通に考えると、「~すること」が主語なら、To do、Doing、That SVを文頭に置いて、↓のようになりそうですよね。

 

To be wise in a day is impossible.

一日で賢くなることは不可能だ。

 

確かにこれでも意味は通じます。ただ、歴史的には「~すること」を主語にする時は、むかーしからItを文頭に置いており、To do is…という表現は後からできたそうです。そして、Itを文頭に置く表現が今でも一般的です。

そのため、英語の先生のなかには「 『~すること(To do、Doing、That SV)』を文頭に置くと、主語が長くなり動詞がなかなか出てこなくてバランスが悪い。だからItを文頭に置く表現になった」という説明をする人がいますが、歴史的には逆の説明だといえます。


⇒次はtoo to構文
 too~ for 人 to doが「~すぎて人は…できない」になる理由(to不定詞⑦)


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so that構文(目的)で助動詞をつける理由 (接続詞③)


 ※このページは「so that 構文が「目的」「程度」「結果」の意味になる理由 (接続詞②)」からの抜粋です。

 so that構文は、↓のように「程度」「結果」「目的」を表す表現があります。

 so that


 このうち「目的」については、that節の中で助動詞(can、may、will)を使うという特徴があります。


例 Please speak louder so that  everyone can  hear you.
  目的:みんなに聞こえるように、もっと大きい声で話しなさい。


 助動詞が使われる理由は、助動詞の後のV(動詞の原形)はまだ行われていないことを示すためです。どういうことかというと、ここで使われる助動詞はcan、may、willの3つですが、canは「~する可能性がある」(30%)、mayは「~するかもれない」(50%)、willは「~するだろう」(80%)で、いずれもまだ行われていない動作がこの後行われる可能性を示しています(下表参照)。

 助動詞

 soは「≒」です。例えば「そのように」は「既にあるイメージがあって、それとほぼ同じ→「そのように」となります。つまり、「あるイメージ≒そのように」。(soについては詳しくはこちら)そこから、「soの前の文≒soの後の文」となり、意味的につながりがあることが示されています。
 そして、thatが「→」のイメージとして置かれることで、出来事の起こった順番が「①soの前の文(大きい声で話せ)→②soの後の文(みんなに聞こえる)」だと表されています。
 このように、起こる順番は①soの前→②soの後の文で、②soの後の文はまだ実現されていないことから、②soの後の文は①soの前の文の行為によってその後達成される目的であることが表されています。


 ちなみに、なぜcan、may、willの3つが使われるのかというと、この3つの助動詞は実現される可能性が30~80%であり、必ずしも実現が保障されていない「目的」を表現するのにぴったりだからです。逆に、mustやshallはこのままいけば100%実現されることであり、わざわざ「目的」の動作として表すのには合っていません。


 これらをまとめると、

sothat10
 「①speak louder(行為)→②everyone can  hear you(目的)」
 ⇒目的:「~のために…」

 

 となります。

【参考】so that構文が「目的」以外に「結果」「程度」になる理由は↓
 so that 構文が「目的」「程度」「結果」の意味になる理由 (接続詞②)


【参考】そもそも助動詞に動詞の原形が来る理由
 助動詞の後ろに動詞の原形が来る理由 (助動詞①)


⇒次は現在完了。
 現在完了① have+過去分詞が「完了」「経験」「継続」になる理由



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so that構文が[目的][程度][結果]の意味になる理由 (接続詞②)


 so that構文は、いくつか意味があって、しかも形も微妙に違うのでややこしい構文です。
 構文の説明の前に、まずはsoとthatがそもそもどういう役割なのかを説明します。


●soのイメージは「≒」

so that2

 


 「①そのように」は既にあるイメージがあって、それとほぼ同じ→「そのように」となります(あるイメージ≒そのように)。

 「②とても~」も既にあるイメージがあって、それとほぼ同じという感覚で「so」と言っています。例えばso happyだと実際にhappyなイメージを思い浮かべてそれとほぼ同じなくらいhappyという感覚です(あるイメージ≒happy)。その結果、happyに実感がこもる→「とてもhappy」となります。
 
一方、very happyだと単にhappyの程度が高いと客観的に言っています。

 

 

●thatのイメージは「→」
 thatは「それ、あれは」という意味で、あるものを指し示す矢印→のイメージです。
 例えば、思う・言う系統の動詞(think、know、say、hope、learnなど)の後にthatを置くと、thatは「それは、、」となって、that以下で直前の動詞の具体的な内容を指し示す「→」の役割を果たします。これを日本語になおすと、「~することを」という意味になります。

that
                             

※ただし、このthatは矢印みたいなものなので、必ずしも必要ではなく省略されることもよくあります。

 

  ここから、so that構文を形ごとに解説します。

 so that

(1) so 形容詞・副詞 that ~が程度結果になる理由



例 She got up  so  early  that  she was in time for the first train.
程度:彼女は一番列車に間に合うくらい早く起きた。
結果:彼女はとても早く起きたので、一番列車に間に合った。

 


● 程度:~なくらい〔形容詞・副詞〕
 so のイメージは「≒」です。例文のso earlyは「≒early」であり、あるイメージとほぼ同じくらいearlyです。そして、thatは直前の内容(so early)の具体的程度を「それは、、(→)」と指し示しています。


 これをまとめると、

 sothat5

「あるイメージとほぼ同じくらい〔early〕、どのくらいかというとthat以下」
 =「early〔形容詞・副詞〕≒that以下(一番列車に間に合うくらい)」
 ⇒程度:「(that以下)なくらい〔形容詞・副詞〕」

 

 

結果:「とても〔形容詞・副詞〕なので(that以下)」
 結果は、程度の「early≒that以下」を出来事が起きた順番で捉えなおしたものです。
 thatは「それは、、(→)」のイメージなので、「early」→「that以下」の順番になり、①earlyという原因があって、②that以下という結果になります。
 ちなみにsoは「≒」として、soの前後が意味的につながりのあることを表します。ここでは、因果関係です。


 こうした理由から、so〔形容詞・副詞〕はthat以下で結果が具体的に示されることになり、〔形容詞・副詞〕に実感がこもる→「とても〔形容詞・副詞〕」となります。

 これらをまとめると、

 sothat6

 「①early(原因) →②that以下(結果)」
→「①とてもearly(原因) → ②that以下(結果)」
結果:「とても〔形容詞・副詞〕なので、~(that以下)」



(2) … , so (that) ~が結果になる理由

例 I overslept , so  (that)  I missed the first train.
 結果:私は寝坊した結果、電車に乗り遅れました。

 soは「≒」を示すことから、「soの前の文≒soの後の文」となり、意味的につながりがあることが示されています。
 thatは「→」のイメージとして置かれることで、出来事の起こった順番が「①soの前の文(寝坊した)→②soの後の文(電車に乗り遅れた)」だと表しています。
 こうした理由から、①soの前の文が原因、②soの後の文が結果を意味します。


 sothat7

  「①I overslept(原因) → ②I missed the first train(結果)」
 
結果:「…、その結果~」



(3) … so (that) S 助動詞(can/may/will)~が目的になる理由 

例 Please speak louder so that  everyone can  hear you.
  目的:みんなに聞こえるように、もっと大きい声で話しなさい。

 
 soは「≒」を示すことから、「soの前の文≒soの後の文」となり、意味的につながりがあることが示されています。
 そして、thatが「→」のイメージとして置かれることで、出来事の起こった順番が「①soの前の文(大きい声で話せ)→②soの後の文(みんなに聞こえる)」だと表されています。

 しかし、soの後の文には助動詞が使われることで、助動詞の後のV(動詞の原形)はまだ行われていないことが示されています。どういうことかというと、ここで使われる助動詞はcan、may、willの3つですが、canは「~する可能性がある」(30%)、mayは「~するかもれない」(50%)、willは「~するだろう」(80%)で、いずれもまだ行われていない動作がこの後行われる可能性を示しています(下表参照)。

 助動詞

  つまり、出来事の順番では、①soの前の文、②soの後の文であり、②soの後の文はまだ行われていないことになります。そこから、②soの後の文は①soの前の文の行為によってその後達成される目的であることが表されています。

 ちなみに、なぜcan、may、willの3つが使われるのかというと、この3つの助動詞は実現される可能性が30~80%であり、必ずしも実現が保障されていない「目的」を表現するのにぴったりだからです。逆に、mustやshallはこのままいけば100%実現されることであり、わざわざ「目的」の動作として表すのには合っていません。
 

 これらをまとめると、

sothat10
 「①speak louder(行為)→②everyone can  hear you(目的)」
 ⇒目的:「~のために…」

 

 このように、so that構文は一見すると覚えなければいけないことがたくさんあるようにも見えますが、so、that、助動詞などの役割を一つ一つ理解すれば、その構文からなぜそういう意味に成るのかが導けます。


⇒次は現在完了。
 現在完了① have+過去分詞が「完了」「経験」「継続」になる理由



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as ~ as…が[…と同じくらい~]になる理由 (比較①)


○「主語」 be as 形容詞 as 「相手」:「主語」は「相手」と同じくらい形容詞

 

 例 Hiroko is as beautiful as Himoko. 

 ヒロコはヒモコと同じくらい美しい。

 asとasに形容詞が挟まれると同じくらい~って意味になる理由を考える前に、asがどういう単語なのかについて説明します。

 

 

◆asの成り立ち

 asは歴史的に、all(強調) so→also→als→asと音が省略されてasになりました
 そのため、もともとはsoに由来してます。




●soのイメージは「≒」
副詞:①そのように
   例 I think so. そのように思います。

   ②とても~(形容詞を修飾)
   例 I am so happy. 私はとても幸せです。

 

 soの基本イメージは「≒(ほぼイコール)」です。
 「①そのように」は既にあるイメージがあって、それとほぼ同じ→「そのように」となります(あるイメージ≒そのように)。
 「②とても~」も既にあるイメージがあって、それとほぼ同じという感覚で「so」と言っています。例えばso happyだと実際にhappyなイメージを思い浮かべてそれとほぼ同じなくらいhappyという感覚です(あるイメージ≒happy)。その結果、happyに実感がこもる→「とてもhappy」となります。
 
一方、very happyだと単にhappyの程度が高いと客観的に言っています。

 

 

・asの根本イメージは「=」(イコール)

 asはall(強調) so(≒)→also→als→asと省略されてasになりました。

 そのため、asは「ほぼイコール(≒)を強調した単語」であり、言い換えると「イコール度がより高い」、そこから「イコール(=)」がそのイメージです。

 ちなみにalsoは今でも「同じように」という意味の副詞として残ってますよね。

 

 こうしたことから、asには沢山の意味がありますが、いずれもイコールのイメージから派生したものです(↓は抜粋です)。

接続詞:①[時]~する時に

 例 As I entered the room, they laughed.

  私が部屋に入ったとき、彼らは声を出して笑いました。
→「as~」と、「,…」が時間的にイコール(同時)

     ②[理由]~なので

 例 As I didn’t have any stamps, I couldn’t mail the letter.

  切手を持っていなかったので、手紙が送れませんでした。
→「as~」(原因)と「,…」(結果)が同じ一続きの出来事であった関係的にイコール

前置詞:③~として

 例 As your doctor, I advise you.

  君の医者として、君に忠告します。
→「as~」と「文の主語」が同一人物でイコール

 


 このように、asの根本イメージは「=」(イコール)ですが、
A is as 形容詞 as B」は、「Aは同じくらい[形容詞]、Bと同じくらい」が直接的な意味になります。

 それをうまく訳すと「~と同じくらい[形容詞]」になります。

 

 例  I am as tall as her.

    私は彼女と同じくらい背が高い。
  (私は同じくらい背が高い、彼女と同じくらい)


◆asが2つ必要な理由

asが「同じくらい」という意味だと考えると、「A is 形容詞 as B」でも、「AはBと同じくらい形容詞」って意味になりそうな気がします。

しかし、1つ目のasが必要なのには理由があります。

 たとえば、形容詞の前のasがない↓の例では、最初に「I=背が高い(tall)」と言い切っちゃって、Iは明らかに背が高いことになってます
 そして、「それはherと同じくらい」といっています。この場合、Iとherはどちらも背が高いという意味になります。

 

 例 I am tall as her

   私は背が高い、彼女と同じくらい。


 
 逆に、形容詞の前のasが付く↓の例では、「I=あるイメージと同じくらいの背の高さ(as tall)」と言う意味になり、必ずしもIが背が高いとは限りません
(Ⅰとherはともに背は低いけど、背丈の程度は同じくらいという場合もあります。)

 I am as tall as her
   私は彼女と同じくらいの背の高さだ。


このように、どのくらいかは問わないけど、Iとherの背丈が同じくらいというには、「as 形容詞」でなければならないため、「AはBと同じくらいの形容詞(例 同じくらいの背の高さ)」と言うには、「A be as 形容詞 as B」の形になります。


 

 

○まとめ

asは、so「≒」にallをつけて強調した単語であり、「=」がその根本的な意味です。

そして、「A is as 形容詞 as B」は、「Aは同じくらい[形容詞]、Bと同じくらい」という意味であり、「同じ程度の形容詞」という意味を表すために1つ目のasも必要だと言えます。



⇒次は比較級の基本事項。
 比較② 比較級 than~:~より…の基本事項


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There is ~が[~がある、~がいる]になる理由


◆There is 構文
 語順:There is(are)+物や人+場所を表す語
 意味:(物や人)が(場所)にいる
※「物や人」が複数形だとare、単数形だとisになる。




(1)「~にいる、~にある」を意味する理由

 am、are、isといったbe動詞の本来の意味は「存在する」です。

 例えば、シェイクスピアの『ハムレット』の"To be, or not to be."「生きるべきか、死ぬべきか」は「存在するべきか、存在しないべきか」を意訳したものです。


 ちなみに、beが「イコール」を意味するとも言われる理由は、「主語 be ~」を「主語は~な状態で存在する」と訳さなくても、主語は存在するのが当たり前なので、「主語は~な状態だ(主語=~な状態)」と訳すからです。

 例 He is happy.

   彼は幸せな状態で存在する。

   →彼は幸せだ。

 

       He is there.

   彼はあそこに存在する。



 いずれにせよ、beの本来の意味は「存在する」であり、there is構文で「~がいる、~がある」という意味になるのも、もともと「S is there」の語順で、「Sはあそこに存在する」というのが本来の意味だからです。
 ではなぜthereが文頭に来るのでしょうか。

 


(2)thereが文頭に来る理由
 通常、there(あそこに)は場所を表すので文の最後の方に来るものですが、ある時からthereを文頭に置くことで「あそこに!」という意味を強調し、「(ほら)あそこに!○○がいるよ」というあるものがいきなり現れたという感覚を表すようになりました。

 例 There is a cat.
((ほら)あそこに猫がいるよ)

 その結果、There is~はまだ会話に出てきていない人や物をいきなり登場させて「~がいる」と表すときの構文として定着していきました
(Thereはいきなり登場させる感覚を表す言葉として使われるようになったことで、「あそこに」という訳としての意味はなくなりました)



 たとえば物語のはじまりの「昔々あるところに、○○がいました」という場合には、There is ~がよく使われます。これは、物語にその登場人物をいきなり登場させる「ほらあそこに」という感覚があるからです。

 例 Once upon a time, there was a beautiful princess.
 (昔々、美しいお姫様がいました)




→逆に、すでに会話に出てきている事柄にThere is~は使いません


例 Tomはどこにいるんだろう?
→ ○Tom is in the park.(トムは公園にいます)
  ×There is Tom in the park.
(Tomが既に会話に出てるからThere~は×)


例 誰かいい候補者いないかなぁ。
→ ○There is Tom!(トムがいるよ!)

(Tomは会話に初めて出てくるからThere~は○)


例 なにか時間つぶしになるものないかなぁ。
→ ○There is my book on the table.(机の上に私の本があるよ)
(my bookはまだ会話に出てきていないのでThere~は○)

※よく所有格(my~、his~など)にThere is~は使わないという説明を目にしますが、まだ会話にでてきていない事柄であれば、所有格であってもThere is~を使います。




◇まとめ
 there is~が「~がいる」になる理由
 ①be動詞は本来「存在する」という意味であり、S is thereで「Sはあそこに存在する」という意味だから。
 ②文頭にThereを置くことで、「(ほら)あそこに!○○がいるよ」という「いきなり現れた」感覚を表し、まだ会話に出てきていない事柄の存在を示すため。


⇒次は、付加疑問文
 
肯定文には否定の、否定文には肯定の付加疑問文が付く理由


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kenny

しがないアラサー団体職員。
休みになれば寝てばかり、家事をすればいい加減なズボラ男です。
言葉の理解や記憶の構造に興味があって、大学院まで認知心理学をやっていました。
ご質問については受け付けておりません。