◆第4文型を作れない動詞
第4文型とは、動詞の後に目的語が二つ続き「SV人物(Sは人に物をVする)」となる文のことです。
しかし、↓の動詞は、「Sは人に物をVする」という意味にもかかわらず、「SV人物」の第4文型を作れません。
その理由は、これらの動詞が「Ⅴ人物」という文型を持たないラテン語に由来するからです。
逆に、giveなどの「Ⅴ人物」で表せる動詞は、「Ⅴ人物」の文型をもっているゲルマン語派に由来します。
ラテン語はそもそも決まった文型がなく、単語をどのような語順で並べるかが自由です。
これは、それぞれの単語自体を変化させて、「~は」「~を」「~に」という意味を持たせるため、変化した単語さえ見れば語順に関係なく意味がわかるからです(例:泉は「fons」、泉を「fontem」、泉に「fonti」)。そのため、単に「V人物」という語順にすれば「人に物をVする」という意味になるわけではありません。
このことから、ラテン語に由来するexplainなどの動詞では「V人物」という言い方をせず、「人」にtoを付けて「人に」という意味がはっきりする「V 物to人」という言い方がされてきました。
●「for人」ではなく、「to人」になる理由
第4文型を作る動詞では、give(与える)など相手が必要な動作はto人に書き換えられます。
一方、buy(買う)など、必ずしも相手は必要なく、自分のためにもできるような動作はfor人に書き換えられます。
(なぜtoとforでこのような使い分けをするのかは↓)
【参考】giveが「to 人」で、buyが「for 人」になる理由
explain(説明する)、introduce(紹介する)、suggest(提案する)は、いずれも相手が絶対に必要な動作です。相手がいないのに、何かを説明したり、提案することはできないですよね。
そのため、explainなどの動詞は「to人」に書き換えることができます。
⇒次回からは、意味によって「V 人for物」「V 人to物」に書き換えられたり、逆にどちらにも書き換えられない単語(save、spare、owe)について。
save、spareに「取っておく」「省かせる」の意味がある理由
★Check★
(1)Would you mind ( ) this copy machine?
【神戸学院大】
①explaining me how to use
②explaining to me how to use
③to explain me about how to use
④to explain to me about how to use
(2)【誤りの箇所を指摘し訂正せよ】
My ①brother-in-law ②suggested me that ③I select French ④for ⑤my foreign language.
【関西学院大】
★Answer★
(1)②
私にコピー機の使い方を説明してくださいませんか?
(2)②suggested me→suggested to me
私の義理の兄は、私に外国語はフランス語を選択することを提案した。
これで謎が解けました!