ここでは、テストに出やすい注意すべき自動詞、他動詞について説明します。
◆自動詞
目的語を取らない動詞のことで、その動詞だけで自立して存在できる動詞です。
I wait. 私は待つ。
◆他動詞
目的語を取る動詞のことで、目的語という他の品詞とセットで意味を作る動詞です。
I moved the book. 私はその本を移動した。
moved 目的語
(1)自動詞と他動詞で意味が異なる動詞
普通の動詞は自動詞が「〇〇する」、他動詞が「~を〇〇する」というように、〇〇の部分が同じ意味です。例えば、singは自動詞で「歌う」、他動詞で「~を歌う」です。
しかし、中には、自動詞と他動詞で〇〇の部分が全く異なる動詞があります。
stand…自動詞:立つ
stand…他動詞:~に耐える
standはもともと「立つ」という意味です。そこから、「~に立って耐える→~に耐える」となりました。
run…自動詞:走る
run…他動詞:~を経営する
runはもともと「走る」という意味ですが、そこから「~を走らせる→~を途切れず連続的に動かす→会社を途切れず連続的に動かす=(会社)を経営する」となりました。
(2)前置詞を付けたくなる他動詞
他動詞は「~を〇〇する」という意味が一般的なので、「~に〇〇する」、「~と〇〇する」という意味だと前置詞をつい付けたくなります。しかし、そのような意味でも前置詞が不要な他動詞があるので、その理由を説明します。
・marry~:~と結婚する
(×marry with)
marryはもともと「~を結婚した状態(既婚者)にする」という意味です。
そこから、「男 marry 女」は「男が女を結婚した状態にする→男が女と結婚する」という意味になったため、withを付けません。
【参考】be married to~:~と結婚する
(×be married with)
be married to~は、「親 marry 子 to~」を受動態にしたものです。
「親 marry 子 to~」は「親が子を結婚した状態にする、~に(to)嫁がせて→親が子を~に嫁がせる」です。これを受動態にすると、「子 be married to 嫁ぎ先」となり「子は~に嫁がせられる→子は~と結婚する」となります。仮にbe married withにしてしまうと、「~と一緒に嫁がせられる」という意味になってしまうためbe marriedの後ろは「to嫁ぎ先」になります。
・discuss~:~について議論する
(×discuss about)
discussの語源は、disが「離れるように」、cussが「打つ」です。つまり、「~を離れ離れになるように打つ→~を粉々にする→~を粉々して内容を明らかにするように議論する→について議論する」となりました。そのため、aboutは使わなくても「~を議論する=~について議論する」という意味になります。
ちなみに、dis「離れる」はdislike「like(好き)から離れる→嫌い」、cuss「打つ」は「percussion:打楽器」などに使われています。
・approach~:~に近づく
(×approach to)
approachは、ap「~に」、proach「近づく」で「~に近づく」という意味になり、apがto「~に」の役割を果たしているため、toを改めて付けません。
・enter~:~に入る
(×enter into)
enterは、先頭にen≒前置詞in「~の中で」を含んでいるので、into「~の中へ」を改めてつけません。
・oppose~:~に反対する
(×oppose to)
opposeは、op「~の反対に」、pose「置く」で「~の反対におく=に反対する」という意味になり、to「~に」にあたる語源が含まれているため、toをつけません。
【参考】be opposed to~:~に反対する
be opposed to~は、be opposedがbe+形容詞で「反対した状態」、to「~に」で、「~に反対した状態→~に反対する」となります。
・attend~:~に出席する
(×attend to)
attendは、at「~に」、tend「伸ばす」で「~に足を伸ばす=に出席する」という意味になり、atがto「~に」の役割を果たしているため、改めてtoを付けたりはしません。
⇒次は第4文型の動詞
giveが「to人」で、buyが「for人」になる理由