◆関係代名詞
 関係代名詞とは、形容詞のようにある名詞を説明する文法の一つで、形容詞は名詞の直前に1語付けるのに対し、関係代名詞は名詞の直後に文を付けることで、その名詞を説明します。

・形容詞
 blue sky(青い空)
 ↑sky(名詞)を直前のblue(形容詞)が説明。
  
・関係代名詞
 I'm reading a book that I bought yesterday
  (私は私が昨日買った本を読んでいます)
 ↑a book(名詞)を直後の関係代名詞(that)以下が説明

 関係代名詞では、例文のように名詞の直後にthatをつける場合があります。他にもwho、whichなどを付ける場合もあります。ここでは、thatがつけられるようになった経緯を説明し、次回、whoやwhichを付けるようになった理由を説明します。


 

●関係代名詞のはじまり

関係代名詞は、離れたところにいる人やモノを指すthat「あれ、それ」がきっかけとなってできました。

例えば↓のようなときです。


 

I have a book. That is very interesting.
 (私は1冊の本を持っています。
それはとても面白いです。)


 

 ここでのThat「それ」はa bookのことを指しています。
 言い換えれば、1つ目の文末のa bookと、2つ目の文頭のThatは同じ意味の単語が続いていることになります。
 そこから、わざわざ2つの文に分けなくても1つの文としてつなげた方が楽じゃん!という発想が出てきました。


 

関係代名詞1



 このように、名詞を文によって説明する関係代名詞は、名詞にthatを主語とする文章をくっつけたことから始まりました。


 さらに、thatは離れたところの物だけでなくにも使う言葉です。

 例 That(=She) is my mother.
      (あれは私の母です。)


そのため、he「彼」やshe「彼女」という人を指す言葉をthatに置き換えて、thatが指している名詞の直後にくっつけるということも可能です


関係代名詞6




 ちなみに、複数形であるthey「彼ら、彼女ら、それら」の場合もthatに置き換えて文章をくっつけます
 複数形の場合はthatではなくthose(thatの複数形)に置き換えそうなものですが、thatとthoseは語源が異なる別々の単語だったことなどから、複数の人やモノであっても関係代名詞の役割はすべてthatが担っています。

関係代名詞5




●目的語にもなるthat

thatは主語になるだけではなく、目的語になることもあります。

関係代名詞18
 一方、関係代名詞は、that「それ」が指し示す名詞の直後にThatが主語となる文を付けたことから始まったため、その語順は[名詞+that]
です。
 そこから、[名詞+that] という語順は①「名詞」=that(それ)、②「名詞」の直後にはthat(=直前の名詞)を含む文がくっついているということを表す印になりました。

関係代名詞29

 このことから、thatが目的語の文であっても、[名詞+that] という語順にthatの位置を変えれば、「名詞」の直後にthatを含む文がくっついていると表せるようになりました↓

 
関係代名詞31


 このように、関係代名詞とは、ある名詞の直後に、その名詞を指しているthatを含む文をくっつけた文法として始まりました。 
 なぜ関係代名詞というのかというと、直前の名詞と直後のthatが同じ意味であるという点で関係を持っており、そのthatは直前の名詞のわりとなる名詞(代名詞)として続く文で主語や目的語の役割を果たすからです。




【参考】関係代名詞を見たら「補足説明」マークと判断

 理屈としては2つの文をくっつけたのが関係代名詞ですが、読解で関係代名詞を含んだ文を返り読みをせずに読んでいくには、関係代名詞(that)を見た瞬間にこれから直前の名詞を補足説明するんだ!(関係代名詞=補足説明マーク)と認識するといいです。
 たとえば、↓の例文では、直前の名詞である「woman」を、関係代名詞(that)のあとの「宇和島市で生まれた」が補足説明しています。
 


関係代名詞14


 関係代名詞を含む文は、日本語に直しながら読んでいるとどうしても返り読みしなければなりません。
 英語を英語として読むためにも、関係代名詞は補足説明のマークとして捉えることが重要です。



⇒次は、間接疑問文です。
 間接疑問文から、whoやwhichを使った関係代名詞はできました。
 間接疑問文の基本事項
 関係代名詞にwho,whichが使われる理由(関係代名詞②)


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