yetは現在完了でよく使われる表現のひとつです。
否定文と肯定の疑問文では意味が違い、yetを使った熟語などもいくつかあります。
一見バラバラの意味のようにも思えますが、yetは「未実施(まだ)」と考えると理解できます。
◆否定文:「まだ~ない」
例 I have not finished my homework yet.
私はまだ宿題を終えていません。
yetのイメージは「未実施(まだ)」です。
否定文の場合、yetを使うと、否定文(していない)+ yet(まだ)で「まだしていない」となります。
例 I have not finished my homework yet.
私は宿題を終えていない + 未実施(まだ)
→私は宿題をまだ終えていない。
◆肯定文の疑問文:「もう」
例 Have you finished your homework yet?
宿題はもう終えましたか?
疑問文の場合、yetを使うと、疑問文(したか?)+ yet(まだ)で、「~やった?どうせまだやってないんでしょ?」というイメージになります。
これを一文で表すと、「もう~したの?」となります。
例 Have you finished your homework yet?
宿題は終えましたか? + 未実施(まだやってないんでしょ?)
→宿題はもう終えたんですか?(どうせやってないでしょ)
◆be yet to do「まだ~していない」
例 He is yet to know the truth.
彼はまだ真実を知らない。
yetのイメージは「未実施(まだ)」なので、S be yet to doは「S=未実施+~すること」になります。
つまり、「Sは~することに対して未実施の状態」→「Sはまだ~していない」です。
ちなみに、to不定詞が使われている理由は、to不定詞が前置詞to「~へ(向かう)」に由来しており、そこから「その動作を行う(向かう)ぞ」というこれから行う動作=まだ行っていない動作にto不定詞は使われるからです。
be yet to do「まだ~していない」も未実施の動作なので、to不定詞を使っています。
【参考】want toなどの熟語でtoを使う理由 (to不定詞②)
◆as yet「今のところは」
例 He has not as yet arrived.
彼は今のところまだ到着していない。
※as yetは否定の完了形でよく使われる。
asは歴史的に、all(強調) so→also→als→asと音が省略されてasになりました。
soは「≒」のイメージで、それを強調しているasは「=」のイメージになります。
soやasの詳しい内容は↓
【参考】as ~ as…が[…と同じくらい~]になる理由 (比較①)
asは「=」、 yetは「未実施(まだ)」なので、as yetは「= 未実施(まだ)」です。
否定の完了形「~していない」にas yetを付け加えると、「~していない」という事実に「=まだやっていない」という感覚を付け足すことになります。
このas yetを一言で表すと「今のところはまだ」となります。
例 He has not as yet arrived.
彼は着いていない=「まだ」という感覚
→彼は今のところまだ到着していない。
◆~, yet …「~、しかし…」
例 She is beautiful, yet selfish.
彼女は美しいが、わがままだ。
yetのイメージは「未実施」ですが、この「まだ~していない」という感覚は、「本来であればもう実施しているべきもの=本来の流れとは不一致」という感覚につながります。
そのため、接続詞としてyetを使うと、内容が一致しない文や語をつなぎ合わせる役割として「ある内容 yet 不一致の内容」となり、yetが「しかし」の意味になります。
(butに比べて、yetは後ろに意外性のある内容をつなぎます)
例 She is beautiful, yet selfish.
彼女は美しい わがまま
→「美しい」はプラスの情報なのに対し「わがままな」はマイナスの情報であり、一致しない内容をyetがつないでいます。
→彼女は美しいが、わがままだ。
⇒次は受動態
[be 過去分詞]が受動態、[have 過去分詞]が現在完了になる理由(受動態①)