使役動詞や知覚動詞は、動詞の後ろに目的語(O)と補語(C)を付けて第5文型(SVOC)を作ります。


 まずは第5文型を作る動詞の基本事項を説明し、その後でCに動詞の原形を使う理由を説明します。

 

 

◆SVOCを作る動詞

SVOCの第5文型を作れる動詞には、

 ①「SがO=CだとV(知覚・思う)する」

 ②「SがO⇒CになるようVする」

 という共通点があります。

(①のイコール(=)が、②ではイコールにちょっと書き加えた矢印(⇒)になるイメージ)

第五文型1


①「SがO=CだとV(知覚・思う)する」タイプ
 ↓のような知覚したり、思ったりする動詞がこのタイプです。

知覚

第五文型3
※Cには、Oの状態を表すものとして名詞形容詞以外に、現在分詞「~している状態」、過去分詞「~された状態」、動詞の原形「~する状態」が使われます。

第五文型4



②「SがO⇒CになるようVする」タイプ

 OをCそのものにさせたり、OにCをさせるタイプの動詞です。
 ポイントは、右矢印⇒が示すようにOがCの状態に変化する方向性を持っているということです。

 動詞の数が多いので、Cが名詞、形容詞動詞の原形to 動詞の原形になるかで分類しています↓

第五文型13


いったん整理すると↓

第五文型14


◆第5文型の動詞が原形になる理由

 そもそも英文法で動詞を原形で使う場面というのは、①分詞のように「~する状態」を表すとき、②まだ行っていない動作を表すときの2つに分けられます。


第五文型7

 どうしてそのような使われ方がするのかというと、原形とは、現在形の「~する」や過去形「~した」といった動詞そのものの形にはなっていないものです。そのことから、動詞そのものの意味から少し離れた①「~する状態」という分詞(動詞+形容詞)のような意味を表すことがあります。

 また、原形は現在形や過去形のように現在の事実や既に行った事実を表しているわけではないので、②まだ実際には行っていない動作に動詞の原形が使われます。
 例えば、助動詞の後に動詞の原形が来る理由も同じです。may「かもしれない」もmust「しなければいけない」もまだ実際には行っていない行動に使うものです。

 また、to不定詞の後が動詞の原形なのも、もともとは前置詞のtoがまだ行っていない動詞にくっついて「~することへ向かう」という意味を表していたからです。



・知覚動詞で動詞の原形を使う理由

 第5文型の「①SがO=CだとV(知覚・思う)する」でCに動詞の原形を使う理由は、動詞の原形を用いることでCに置かれる現在分詞「~している状態」や過去分詞「~された状態」のように、「~する状態」という意味を表しているからです。つまり、動詞の原形を使うことで「OがCする状態を知覚する」という意味を表しています。

 なお、そもそもCは状態を表すことばなので現在形などの動詞そのものは使えません。

 

・使役動詞で動詞の原形を使う理由

 第5文型の「SがO⇒CになるようVする」を表す使役動詞「OにCさせる」で動詞の原形が使われる理由は、Oに行わせる動作がまだ実際に行っていない動作だからです。使役動詞では、これからその動作を「させる」という意味を表すため、動詞の原形が使われています。

 

 

⇒次回は使役動詞、知覚動詞のCにtoがつかない理由です
 使役動詞、知覚動詞でtoが付かない理由


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